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初期臨床研修医採用

研修医の1日

遠藤 龍眞 初期研修医1年目

研修医10ヶ月目のある1日

 凍てつくような寒さ。1月の終わりとしては当たり前の寒さだが、身体に堪える。この病院で研修医として働いて10ヶ月近くが経った今、朝6時にセットしていたアラームが鳴る3分前には自然と目が覚める。重い頭を傾げ、眼鏡をかけると、食べ終わった食器やお酒が入っていたであろうグラス、瓶、缶が目に入る。あぁ、昨日は当直明けだったのかと思うと同時に昨日の記憶が曖昧なことに気付く。この病院では当直明けは昼の12時に業務を切り上げ就労を終えることができる。その日にもよるが、基本的に当直業務中は押し寄せる患者さんの波に揉まれ睡眠は仮眠程度しか確保できない。それにも拘わらず、体力のある研修医は当直明けの昼12時に業務を終え、そのまま仙台に遊びに行く。いつのことだったか忘れたがそのまま東京にまで行ったスーパーマンもいた。僕の場合はその様なことはできず、精根尽き果てた身体で帰路に着き、家の鍵を開け、部屋に倒れ込みステレオのスイッチをつける。研修医の住んでいるアパートは借り上げで、他の入居者はほぼ研修医で、他の研修医は業務中。そのような状況であることをいいことに床が揺れるほどの音量で音楽を聴き始める。揺れ動く音の中でゆっくりとキッチンに向かいご飯を作り始めるや否やお酒に手が伸びる。当直明けの胃袋には重い料理は厳しいかと思い、鶏の胸肉を取り出して塩胡椒を、流れるリズムに合いの手を入れるかのごとく振りかける。薄力粉をまぶし、はたいて舞い落ちる粉が差し込む日中のあかりでキラキラと光り、幻想的な世界が広がる。バターとオリーブオイルをフライパンで熱し、なんとも言えない幸せな香りが立ち、それをつまみにまたお酒をグイッといく。鶏肉をフライパンに入れると、ジュワーっと小気味好い音がして、先程まで漂っていた香りに肉の芳ばしい香りが加わる。この相乗効果は思考回路を停止させるには充分な破壊力があり、早くかぶりつきたいということ以外は何も考えられなくなる。その衝動を抑え、ニンニクをみじん切りにして、秋に収穫して乾燥させておいたタイムと共に振り入れる。ふわっと香りが立ち込めてきたところで白ワイン。鶏肉が白ワインの沸騰する勢いに揺られていて、さながら宝を追い求めて大海原に繰り出す海賊船かのようである。そんな自分のくだらない想像をよそに白ワインが煮詰まる。そこで生クリームとペコリーノロマーノ、イタリアンパセリを入れる。鶏の旨味がぎゅっと詰まった油と生クリームがハーモニーを奏でたところで鶏肉の表面にバターを塗り、温めたオーブンに放り込む。オーブンの前にへばりつきながら、グラスを傾け、今か今かと心待ちにする。その間に別なものも作ろうかとも思うが、焼きごろを逃してしまうのではないかという恐怖で身体が動かず、仕方なく一昨日に作り置きしていたものを口に入れる。一昨日より味が落ち着いたな、と思いグラスが更に傾く。ふとオーブンの中に目をやると、生クリームのソースがとろりとし、鶏肉が照り輝いている。宝を見つけた。勢いよくオーブンの扉を開け、真っ白なお皿に盛る。ナイフを差し込むと、抵抗なく進み肉汁がたらりとゆっくり流れる。自分のしてきたことに間違いはなかったんだなと悟る。その先のことは覚えていない。
おそらく今のこの状況を見るに、その後も数品作り上げ、お酒と共に平らげたのだろう。
さぁ、今日も仕事に行くか。

佐々木 純一 初期研修医1年目

過密スケジュールでも学び多き研修の日々

 朝5時半には起床し、6時過ぎから病棟に赴く。前日のカルテを確認し終えると、まだ寝ている患者さんを半ば強引に起こしながら一人で回診を始める。前日まで調子の悪かった患者さんに、なんだか今日は調子イイね、といわれるのがこの上なくうれしい。ひとり回診の後にナースステーションであくせくとカルテを書く。朝の早い上司に自分より早くカルテを書かれてしまうのはこの上なく悔しい。今日はこんな検査はいかがですか、とカルテ上で提案。朝8時くらいから上司と合流しもう一度回診。こんな検査やってみていいですか、と今度は口頭で再度提案。「お、やってみようか」と言われるのはごくたまの事。上司との朝回診が終了するとしばしの朝食タイム。一階のコンビニで新商品を物色し、散らかったデスクの本を隅っこに寄せて頬張る。

 そんなこんなで9時を過ぎると大抵病棟からのPHSが鳴る。「先生、いつも飲んでる薬の処方、今日から入ってないですけどいいですか」、と。ごめんなさい、と返事をして処方のチェック。ついでに今日の点滴もチェック。気が付くと午前の検査が始まる時間になる。開始時間の少し前に準備を始めるのが研修医のお仕事。検査をやりたそうな目で上司を見ていると、「やってみるか?」とたまに言ってもらえる。もちろん、その時のための準備は万全である。11時を過ぎると空腹との闘い。もちろん、お昼もコンビニで済ませる。この時期はレジ横の肉まんがおいしい。

 午後も検査。眠くならないように予め飲んでいるカフェインの効果を感じることはあまりない。日中の仕事を一通り終えると上司とカルテをチェックしながら再度夕回診。朝回診の時には元気だった患者さんのベッドがきれいになって、見当たらない。看護師さんから、「今日退院だったじゃないですか」と。これにて一日の営業ひとまず終了。夕食をコンビニで済ませると、翌日に向けて教科書との格闘が始まる。