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診療科

腎臓・膠原病内科

診療の概要

 中核病院をはじめて受診される方は、多少なりとも不安な気持ちを抱いて受診されることと思います。少しでも皆様の不安解消の一助となれるような診療を心がけます。私どもの外来を受診される方は、「お医者様から腎臓が悪いと言われました」として来られます。この“腎臓が悪い”は、血液検査のクレアチニンという値の異常を指していることが多く、極端な話、水分不足でも異常値となることがあります。一度よく調べて、本当に腎臓が悪い場合は病気とつきあっていかなければいけませんが、そのつきあい方についてご一緒に考えましょう。
 また、「膠原病かもしれませんと言われました」という方もお見えになります。熱が長く続いたり、節々が腫れて痛めば膠原病のこともありますが、そもそも膠原病の頻度は高くありません。その場合感染症のこともありますが、抗菌薬が不要な感染症もあります。抗菌薬はお手元にあれば安心される方もいらっしゃるとは思いますが、菌交代を起こせばやがて効く薬はなくなってしまいます。もし、リウマチ・膠原病と診断されても治療は日進月歩です。一度調べて上手く病気とつきあって行く方法をご一緒に探しましょう。

診療の特徴

 関節リウマチの治療法は、メトトレキサート、生物学的製剤およびその他の免疫調節薬の登場によりめまぐるしく進歩しております。臨床的寛解、さらには構造的寛解を目指したtreat to targetの治療が大切です。一方でご高齢の患者さんの多いこの地域で、糖尿病や慢性腎臓病といった合併症をもっておられる方も少なくなく、安全性を重視した薬剤選択や用量調節、さらには経済的負担も考慮して患者さん一人一人にとって長期に継続できる治療を心がけております。
 慢性臓器不全の支持療法のなかで透析療法だけは間欠的に実施でき、常に携行しなくてもよい人工臓器として他に先駆けて実現しました。しかしながら、週3回いずれかの施設へ通院しなければならない透析療法は、ご本人、ご家族にとって負担となることもあります。このため症状の出にくい腎臓病にいち早く気がつき、慢性腎炎の時点で治療を開始すること、あるいは糖尿病性腎症が重症化しないよう対処することが重要です。当科では腎生検を積極的に実施し、検体を東北大学病院に送付し診断いただき治療に当たっております。
 また、糖尿病科や栄養科と連携し腎臓病治療の大きな位置を占める食事療法に重点を置き透析導入までの期間、すなわち保存期腎不全を長持ちさせるよう心がけております。

診療実績統計

膠原病・リウマチ

項目 / 年度 2020 2021 2022
関節リウマチ 303 308 357
全身性エリテマトーデス 22 25 32
シェーグレン症候群 30 32 40
その他 105 112 138

腎生検・診断

項目 / 年度 2020 2021 2022
IgA腎症 6 9 7
膜性腎症 2 0 5
糖尿病性腎症 1 0 0
巣状分節性糸球体硬化症 1 1 2
ループス腎炎 2 1 1
間質性腎炎 0 0 1
微小変化型ネフローゼ症候群 0 2 0
半月体形成性糸球体腎炎 2 1 2
その他 2 3 6
16 17 24

ドクター紹介

医師名 認定医/専門医等
薬事診療部長
佐藤 仁
日本内科学会認定内科医・指導医
日本外科学会認定医
日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医
日本リウマチ学会登録ソノグラファー
部長
坂田 英恵
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本循環器学会認定循環器専門医

発表等

○地方学会・研究会発表

佐藤仁、坂田英恵、生形晃男、望月保志
関節症状は強くなかったが炎症所見が遷延した関節リウマチで、消化管アミロイドージスを来した一例 第30回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会(秋田/Web)2021.2.13

腎臓・膠原病内科 過去の業績

【2019(令和元)年度】

○論文

Hitoshi Sato, Kentaro Shima, Hanae Sakata, Takashi Ohtoh
Granulomatosis with polyangiitis with intestinal involvement successfully treated with rituximab and surgery [BMJ Case Rep 2019;12:e230355. doi:10.1136/bcr-2019-230355]
Manami Suzuki, Hideki Okata, Hanae Sakata, Hitoshi Sato
Microscopic polyangiitis masquerading as a pancreatic neoplasm with multiple lung metastases [BMJ Case Rep 2019;12:e230356. doi:10.1136/bcr-2019-230356]

○地方学会・研究会発表

佐藤仁、坂田英恵、保坂龍彦、秋保真穂
リツキシマブとアザチオプリンにより寛解導入・維持できた、ステロイド抵抗性成人発症IgA血管炎の一例 第29回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会(青森)2019.11.3

【2018(平成30)年度】

○地方学会・研究会発表

生形晃男、坂田英恵、伊藤愛剛、岡田賢、佐藤仁
偽腔閉鎖型大動脈解離との鑑別が困難なCT所見を呈した急性期高安動脈炎の1例 [第214回日本内科学会東北地方会(仙台)2018.6.16]
竹内洋平、佐藤仁、平本圭一郎、坂田英恵
多発性嚢胞腎由来の慢性腎不全で、透析導入中に大量吐血をきたした1例 [第214回日本内科学会東北地方会(仙台)2018.6.16]
佐藤仁、宮内健一郎、坂田英恵、下田楓美子、石井達矢、河内三郎
両下腿紅斑で発症したIgG4関連腎臓病の1例 [第215回日本内科学会東北地方会(仙台)2018.9.12]
鈴木眞奈美、大方英樹、坂田英恵、佐藤仁
膵悪性腫瘍様病変と多発性肺結節影を呈し、急速進行性糸球体腎炎を来したMPO-ANCA関連血管炎の1例 [第216回日本内科学会東北地方会(仙台)2019.2.16]

【2017(平成29)年度】

○地方学会・研究会発表

佐藤仁、坂田英恵、椙澤貴志、近藤敬一
不明熱で発症した高齢成人スチル病の1例 [第211回日本内科学会東北地方会(仙台)2017.06.17]
坂田英恵、佐藤仁
高齢関節リウマチ患者のリスクマネージメント~MTX関連汎血球減少症の経験から~ [第211回日本内科学会東北地方会(仙台)2017.06.17]
佐藤仁、坂田英恵、斎藤真一郎
間質性肺炎が先行し、プレドニゾロン、タクロリムス、IVCYで治療した抗ARS抗体陽性皮膚筋炎の一例 [第27回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会(山形)2017.11.24-25]
佐藤仁、坂田英恵、工藤貴之、斎藤真一郎
抗核抗体(紡錘体型:NuMA-1)陽性かつ抗セントロメア抗体陽性で、抗SS-A/Ro, 抗SS-A/La陰性シェーグレン症候群の1例 [第213回日本内科学会東北地方会(仙台)2018.02.17]

【2016(平成28)年度】

○誌上発表

M Tateyama,S Shibuya,H Sato,K Fujihara and M Aoki
Pseudo-perifascicular atrophy in the healing phase of Jo-1 antisynthetase syndrome [Neuromuscul Disord.2016;26:521-522]
H Sato,K Umemura,T Yamamoto and H Sato
Interstitial nephritis associated with ulcerative colitis in monozygotic twins [BMJ Case Rep.doi:10.1136/bcr-2016-218346,Accepted 30 Jan.2017]

○地方学会・研究会発表

島田佐登志、坂田芳之、佐藤博、佐藤仁
一時的血液透析を要したが腎死を回避できた抗基底膜(GBM)抗体型急速進行性糸球体腎炎(RPGN)の1例 [第204回日本内科学会東北地方会(仙台)2015.2.21]